はじめに:技術力だけでは生き残れない業界の現実

半導体業界で10年以上キャリアを積んできた私は、技術的なスキルには自信がありました。トランジスタの設計からドーピングプロセスの最適化まで、専門分野では問題なく仕事をこなせていました。しかし、グローバル化が加速する中で、ある現実に直面することになります。技術力だけでは、もはや業界の第一線では戦えないという厳しい事実です。

海外顧客へのプレゼンテーションで、準備した英語スクリプトを読み上げるところまでは何とかなりましたが、質疑応答の時間になると頭が真っ白に。TOEIC500点レベルの英語力では、専門的な質問に対応することはできませんでした。この失敗がきっかけで、私はDMM英会話を始めることを決意しました。

半導体業界で必要とされる英語力とは?

グローバル化が進んだ半導体業界では、以下のような場面で英語力が求められます:

  1. 技術仕様の検討会議:新規プロジェクトの仕様決定や技術的な問題解決において、海外チームとのディスカッションは避けられません。
  2. 海外顧客へのプレゼンテーション:自社の技術優位性や製品特性を正確に伝える必要があります。
  3. 研究開発の最新情報キャッチアップ:英語論文や海外カンファレンスでの発表を理解する力が不可欠です。
  4. テクニカルサポート:海外顧客からの技術的な問い合わせに対応する必要があります。
オンライン英会話レッスンのイメージ

1年間の変化:データで見る進歩

TOEIC スコアの推移

  • 開始時:500点
  • 6ヶ月後:620点
  • 1年後:745点

学習時間の分析

毎日のDMMレッスン: 25分 × 365日 = 152時間
NHKラジオ英会話: 15分 × 240日 = 60時間
YouTube視聴: 30分 × 52週 = 26時間
自己学習: 20分 × 300日 = 100時間
合計学習時間: 約338時間

半導体・化学分野での実践例

例1:エッチングプロセスの説明

学習前
"Etching is... um... remove... material... by chemical."

学習後
"In our dry etching process, we use fluorine-based plasma to selectively remove silicon dioxide layers with high aspect ratio features. This process achieves a selectivity of 20:1 versus the underlying silicon substrate."

例2:コンタミネーション問題のトラブルシューティング

学習前
"Maybe... contamination problem. Need check... machine."

学習後
"We're observing unexpected metal contamination in the diffusion layer. I suspect it might be coming from the precursor gas system or the chamber walls. Let's review the recent maintenance records and run a test wafer with the standard contamination monitoring pattern."

半導体エンジニアのための英語学習効率化戦略

この1年の経験から、特に効果的だった学習方法を紹介します:

  1. 専門用語辞書の作成
    • 日々の業務で使う専門用語を英語で記録
    • 例:「ドーピング濃度」→ "doping concentration"、「リーク電流」→ "leakage current"
  2. 技術プレゼンテーションの型を習得
    • 「問題提起」→「解決方法」→「効果」というシンプルな構造を意識

今すぐ始められる実践ステップ

業界特化の語彙リストを作成する

1日10単語を目標に、自分の専門分野の用語を収集する。IEEE、Nature Materials、Applied Physics Lettersなどの論文から用語を抽出。

5分間の自己紹介プレゼンを準備する

自分の専門分野、経験、強みを簡潔に説明できるように練習。録音して発音やイントネーションを確認。

私の学習を加速させた転機

最も大きな転機は、「恥を捨てる」決断でした。レッスン中、文法が間違っていても、単語が出てこなくても、とにかく伝えようとする姿勢に切り替えました。

講師から言われた言葉が忘れられません:
"In engineering, clarity is more important than perfection. Better to communicate clearly with mistakes than to say nothing perfectly."

まとめと今後の展望

半導体エンジニアとして1年間英語学習に取り組んだ結果、TOEIC500点から745点へと数字で見える成果を得ただけでなく、実際の業務でコミュニケーションができるようになりました。

しかし、まだ課題は残っています。特に高速で交わされる技術ディスカッションや、ネイティブスピーカー同士の会話についていくことは難しい状況です。


この記事は半導体エンジニアの実体験をもとに作成しました。DMM英会話での学習効果には個人差があります。